医療メディエーターの役割
医療メディエーター(医療対話推進者)とは、
医療従事者と患者さんやその家族(以降「患者さん等」とします)が
診療のうえで良好なコミュニケーションを行うためのお手伝いをする人のことです。
メディエーションとは仲介、調停、仲裁、媒介という意味です。
コンフリクト(紛争、対立など)解消方法のひとつで
裁判ではなく、当事者同士の対話によって解消しようとするものです。
医療事故が起きたときはもちろんですが
日々の診療で、患者さん等が感じる診療での疑問や不安、不満などを解消し
患者さん等が安心して医療を受けることができるようにするために
患者さん等と医療従事者を支援する。
それが医療メディエーターの役割です。
医療メディエーターは病院にいます
患者サポート体制加算を取得している病院では、
『患者相談窓口』に専任の担当者(医療メディエーター等)が
常時(外来の開いている時間)配置されています。
受療中の病院が患者サポート体制加算対象病院かどうかを調べるには
病院の施設基準を見るか、入院した月の診療費明細書を確認すればわかります。
『患者サポート体制加算』の記載があれば、患者サポート体制加算の対象病院であり
『患者相談窓口』が設置されているということです。
本来は、そこまで調べなくても病院に行けば『患者相談窓口』が目につくはずです。
患者サポート体制加算は70点。入院患者一人につき700円が病院に入ります。
具体的な要件としては、以下のとおりです。
□相談支援窓口を設置している
□窓口に専任の医師.看護師,薬剤師,社会福祉士またはその他医療有資格者が当該医療機関の標ぼう時間内において常時1名以上配置されており、相談内容に応じた適切な職種が対応できる体制を取っている必要がある。
□相談窓口に配置されている職員は医療関係団体等が実施する医療対話仲介者の養成を目的とした研修を修了していることが望ましい。
□患者等に対する支援体制が整備されていること。
□見やすい場所に相談窓口が設置されていることおよび患者等に対する支援のため実施している取り組みを掲示していること。入院患者には入院時に文書等を用いて相談窓口について説明をおこなっていること。
□公益財団法人日本医療機能評価機構等第三者の評価を受けていることが望ましい。
『病院の人』には直接相談しにくいときは
フリーの医療メディエーターをご検討ください
現在、医療メディエーターの活躍の場は病院の『相談窓口』がほとんどです。
病院の相談窓口に相談することで診療に関する疑問や不安、不満が解消できれば
それがいちばんですよね。
けれども『病院の人』には直接相談しにくいことも多いという話をよく聞きます。
私が聞いた理由をまとめると
①(疑問や不安を伝えることで)
信頼してないと受け取られて、医療者の心証を悪くしたくない。
②(疑問や不安が漠然とし過ぎていて)
忙しそうな医療者にどう伝えていいかわからない。
③(疑問や不安はあるが)
こんなこと聞くの自分だけかも。クレーマーと思われるのではないか。
明らかな過誤が考えられる場合は別として、医療者には感謝し尊敬もしている。
だから『病院と対立する構図』になりそうで相談窓口は敷居が高い。
できれば『病院の人』にわからないように疑問や不安を解消したい。
そういうことのようです。
また、病院の人に相談しても結局、病院の都合の良いようにされてしまうのではないか
という声が聞かれることも事実です。
ところが、病院外で患者さん等が相談するとなると、その先は
病状や病状についての疑問等であれば、
保険会社や勤務先で提携しているサービスなど相談先は多くあります。
ネットでも「医療 相談」のワードで簡単に探すことができますが
こと診療での疑問や不安、不満などの相談となるとどうでしょう。
試しに「医療 疑問(不安、不満も同様でした)」で検索してみると
医療行為の解説などは結構ヒットしますが、
個別な相談に繋がりそうな結果は得られませんでした。
さらに「医療 不信」となると、弁護士サイトばかりが上がってきてしまいます。
これでは先ほどの「病院と対立する構図」に近づくイメージしか浮かびません。
こうなれば、診療に疑問や不安、不満を持つ患者さん等はどうするか。
お友達などに相談する場合もあるでしょうが、それで解決できればラッキーですね。
けれども、その大半は疑問や不安を「抱えたまま、黙ってしまう」ことになります。
それでも「治ればそれでいい」んです。
疑問も不安も、いつかは消えてなくなります。
困るのはそうでなかった場合です。
病院の外で相談できる人になること。
病院内のしがらみに捕らわれることなく
患者さんと医療者、どちらからもきちんとお話を聞き
双方が安心して『対話』するためのお手伝いをする。
それを目指して
フリーで医療メディエーターを行うことにしました。
病院外医療メディエーター 燈芯草ができること
【患者さん・ご家族さんへ:受診コンサルティング】
〇診療に関するお悩みごとについて
一緒に問題を整理しながら、解決の糸口を探るお手伝いをします。
〇医療者との意思疎通の行い方について、ご相談をお受けします。
【医療メディエーション】
〇ご希望に応じて、病院と患者さん等とのメディエーションを行います。
◇医療メディエーションについて
メディエーションは、あくまで中立の立場で、当事者同士の対話のお手伝いをするものです。
事実認定や是非の判断、解決案の提示を行うものではありません。
また、以下の場合は、ご対応できかねます。
・病院と患者さん等、どちらかが医療メディエーターの関与を拒否した場合
・目的が、対話促進以外のものであると推察される場合
例)医療行為の是非等の判断を問うこと、訴訟が前提である場合、悪意の金銭要求、等
・どちらかが精神疾患、精神障害、認知症その他の理由により、対話が難しいと判断される場合
・その他、医療メディエーターが対応できないと判断した場合。
実はまだ、この取り組みは始めたばかりです。
実際にどのようなお手伝いが必要なのか? できるのか?
ご相談を受けた方とお話ししながら進めていきたいと考えています。
お困りごと、ご相談ごとがあれば、先ずはお問い合わせフォームからご連絡ください。
皆さまからのお声が、この活動を育てることになります。
何卒よろしくお願いいたします。